中古住宅の水回り、これだけは見てほしい|購入前チェックリスト8項目

リフォーム編

「水回りはきれいでした」……それ、本当に大丈夫ですか?

ショールームで中古住宅のリフォーム相談を受けると、こんな会話がよく起こります。

「物件を内覧してきたんですが、水回りはきれいでしたよ。安心しました」
「そうでしたか。ちなみに——給湯器の製造年は確認されましたか?」
「……あ、全然見てなかったです」

見た目のきれいさと、実際の設備の状態は別物です。でも「何を確認すればいいか分からない」
という方がほとんどなのも事実。そのままの状態で購入して、
引っ越し後に高額な出費が続く——そういうケースを、私はこれまで何度も見てきました。

私は大手水回りメーカーのショールームコーディネーターとして9年、延べ6,000組のご夫婦を案内してきましたが、中古住宅を購入された後にショールームに来て
「もっと事前に確認しておけばよかった」とおっしゃる方の多さには、毎回胸が痛くなります。

この記事では、内覧のときに絶対に見ておいてほしいポイントを8項目でまとめました。
スマホに保存するか、メモして持って行ってもらえると嬉しいです。

なぜ水回りだけ特別に気をつけないといけないのか

外壁のひび割れや屋根の傷みは、素人でも「あ、ここが気になる」と気づきやすいものです。
でも水回りは違う。劣化が壁の中、床の下、天井裏に隠れているケースが多くて、
プロが開けてみて初めて分かることがほとんどです。

タイル浴室の床をめくってみたら木材が腐食していた、排水管の内側がひどく錆びていた、
給水管に亀裂が入りかけていた——そういった話は、購入前の内覧では絶対に気づけません。

ただ、それでも「これは怪しいな」と感じられるサインを知っておくだけで、
リスクを読む精度はかなり上がります。購入前に交渉材料として使えることもあるし、
リフォーム予算の見通しが立てやすくなることも大きい。

内覧時の水回りチェックリスト【8項目】

チェック項目 確認すること 注意度
①給湯器の製造年 本体のシールを確認。10年超えは要注意、
15年超えは交換前提で予算を組む
★★★
②浴室の素材と状態 タイル浴室は目地の欠け・床のぐらつきを確認。
ユニットバスは壁パネルの継ぎ目をチェック
★★★
③天井・壁のシミ 浴室周囲・洗面所・トイレ上部の天井シミは
水漏れの可能性あり。見落としやすい
★★★
④排水のにおいと流れ キッチン・洗面・浴室すべての排水口のにおいと
排水スピードを確認する
★★
⑤水圧の確認 実際に蛇口を開けて水圧をチェック。
弱い場合は給水管の劣化や詰まりの可能性
★★
⑥換気扇の動作と換気状態 浴室・トイレ・洗面所の換気扇が正常に動くか。
カビの多さも換気力の指標になる
★★
⑦水栓の種類と年数 単水栓・2ハンドルは交換推奨。シングルレバーでも10年超えは部品調達が難しくなる
⑧トイレの品番と洗浄水量 古い型(13L/回)は水道代が高い。品番を調べて洗浄水量を確認しておく

★★★ = 費用が大きくなりやすく、購入価格の交渉材料になりやすい
★★ = 状態次第で追加費用の可能性あり
★ = 比較的対処しやすいが、把握しておくと予算が立てやすい

①だけは絶対に確認してください——給湯器の話

少し力を入れて書きます。

給湯器の交換費用は、機種や設置環境にもよりますが15万〜30万円ほどかかることが多い。
しかも古い機種だと交換部品がすでに廃番になっていて、
壊れたら即・新品交換という判断になります。

引っ越し直後の冬に「お湯が出なくなった」と慌ててショールームに来られたお客様がいました。話を聞いてみると、給湯器は設置から18年経っていたとのこと。
内覧時にシールを一枚確認するだけで分かったはずのことで、
でも「そんなこと確認するとは思わなかった」とおっしゃっていて——。

給湯器の製造年は、本体の側面か上部に貼られたシールに記載されています。
「製造年月」の表記がある場合もあれば、品番から調べる場合もありますが、
メーカーと品番をメモしておけばメーカーサイトで製造年が確認できます。

目安として:10年超え → 近い将来の交換費用として予算に含める、15年超え
→ 購入交渉の材料として使う
——この2つの基準だけ覚えておいてください。

「きれいに見える物件」こそ注意が必要な理由

ここは少し微妙な話なんですが、書いておきたいことがあります。

売り出す前に表面だけをクリーニングして「きれい」に見せた物件というのが、
残念ながら一定数あります。壁紙を張り替えて、水回りを軽く洗って、写真映えするようにして。でも、壁の中も床の下も何も変わっていない。

私がお客様に内覧後に「どうでしたか?」と聞くとき、「見た目はきれいでした」という答えよりも「においはどうでしたか?」と聞くようにしています。
においは、表面をきれいにしても消えない劣化のサインが出やすいからです。

洗面所やトイレに入ったとき、かすかでもカビ臭さや下水っぽいにおいがしたなら
——それは要注意のサインかもしれません。

あ、もう一つ大事なことを言い忘れていました

チェックリストの話ばかりしてしまいましたが、もう一つお伝えしておきたいことがあって。

「物件を先に買って、後からショールームでリフォームの相談」というのはよくある流れです。
でも、できれば購入前にショールームに来ていただくことをお勧めしています。

内覧してきた物件の状態(浴室の素材・給湯器の年数・洗面台の型番など)を持ってきてもらえると、「それをリフォームするとしたらいくらくらいかかるか」という話ができます。
そうすると、物件価格+リフォーム費用の合計が見えてきて、交渉のベースができる。

購入前に相談に来てくれるご夫婦には、正直、一番丁寧にお話しできます。
「こういう状態の浴室なら交換はこの価格帯になります、それを踏まえた上で物件価格はどう考えますか?」という話ができるので、私自身もやりがいを感じる場面です。

このチェックリストを持って内覧へ行って、気になったことをメモして、
ショールームに持ってきてください。一緒に考えましょう。


ショールームコーディネーターとして9年、延べ6,000組のご夫婦と一緒に家づくりの選択と向き合ってきた経験から、「現場でしか分からない視点」をこのブログでお届けしています。
水回りの選び方・リフォームの判断・夫婦の意見のすり合わせ方まで、気になることがあればぜひほかの記事も読んでみてください。

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