水回りリフォームの相見積もり、何を比べればいい?現場で見た差額の正体と7つのチェックポイント

リフォーム編

「3社に見積もりをもらったのに、なぜか比べられない」

水回りリフォームを計画しているご夫婦から、こんな相談をよくいただきます。

「リフォーム会社3社に見積もりを出してもらったんですが、金額がバラバラすぎて……A社は150万円、B社は230万円、C社は185万円なんです。何がこんなに違うのか、まったく分からなくて」

ショールームで接客しているとき、お客様から「相見積もりを取ってきたけど比べ方が分からない」という声は本当によく聞きます。数字だけを見ると、当然一番安いA社に頼みたくなる。
でも、その80万円の差額が何によるものかを確認せずに決めると、後悔する可能性が高いんです。

今回は、水回りリフォームの見積もりを正しく比較するための具体的なチェックポイントを、
私が現場で学んできた視点からお伝えします。

まず知っておいてほしい「差額の正体」

同じ工事のはずなのに、なぜ会社によってこれほど金額が変わるのか。
大きく分けると、3つの理由があります。

差額の原因 具体例 金額への影響
①製品のグレード・品番が違う キッチン本体をスタンダードにするか
ミドルにするか
30〜80万円の差になることも
②施工範囲が違う 床や壁のやり替えが含まれているかどうか 10〜50万円の差
③諸経費・仮設費の
計上方法が違う
別途計上しているか、本体価格に
含めているか
5〜20万円の差

中でも①の「品番が違う」は、ショールームで働いていた私から見ると、
比較的見落とされやすい盲点です。

たとえばキッチンには、同じメーカーでもスタンダードグレード・ミドルグレード・ハイグレードがあり、扉材の種類や引き出しの構造がまったく違います。
A社の見積もりが安いのは、単純に「下のグレードを提案している」からという場合が
少なくない。比べているつもりが、実は別の商品を比べていた、ということが起きやすいんです。

見積もりを正しく比較するための7つのチェックポイント

では、何を確認すれば見積もりをフェアに比べられるか。
私がショールームでお客様にお伝えしてきたポイントをまとめました。

# チェック項目 確認すること 要注意なケース
1 製品の品番・型番 各社が提案している商品の品番が同じか 品番が書いておらず「〇〇メーカー同等品」となっている
2 施工範囲の明記 床・壁・天井のやり替えが
含まれているか
「既存流用」の記載がある場合は
内容を確認
3 解体・撤去費 既存設備の撤去費が
明記されているか
「一式」とだけ書いてある場合は
内訳を聞く
4 配管・電気工事費 給排水・電気配線の工事費が
含まれているか
本体価格のみで配管工事が「別途」になっていないか
5 廃材処分費 撤去した設備の処分費が計上
されているか
あとから追加請求されるケースがある
6 保証期間・内容 施工後の保証は何年か、
設備と施工で別かどうか
保証の記載がまったくない業者は
要注意
7 補助金申請サポート 省エネ・バリアフリー等の補助金に対応しているか 対応可否で実質負担が10〜30万円
変わることも

これを見ながら3社の見積もりを並べると、「安いと思っていたA社は、実は廃材処分と配管工事が含まれていなかった」といったことが見えてきます。正直なところ、全部込みで比べると大差ない、どころかA社が一番高くなることもあるんです。

「ショールームに来てから相見積もりを」が私の持論です

ちょっと脱線するようですが、ここが私が一番伝えたいところなので少し聞いてください。

相見積もりで一番うまくいくのは、ショールームで商品の品番を確定させてから、
その品番を指定して各社に見積もりを依頼する
方法です。

品番が揃えば、少なくとも①の「商品グレードの違いによる差額」はなくなります。
あとは②施工範囲と③諸経費の違いだけを比べればいいので、判断が格段にしやすくなります。

ショールームでよくあるのが、「もうリフォーム会社に見積もりをお願いしてしまって……」
というタイミングでいらっしゃるケース。この場合、会社がすでに独自に品番を選んでいるので、ショールームで確認したグレードとズレていることがあります。

理想は、ショールームに来る → 気に入った商品の品番を手元に控える → その品番で複数社に見積もりを依頼する、という順番です。これだけで、見積もり比較の精度がぐっと上がります。

あ、大事なことを言い忘れていました。ショールームでは「この品番で施工した場合、施工費の目安はどのくらいですか?」と聞いてみてもいいんです。コーディネーターによっては「弊社では案内できないのですが……」と言われることもありますが、目安感を持っておくだけでも、見積もりが高すぎないかを判断する材料になります。

「安い見積もり」に飛びつく前に確認したいこと

3社を比べて「やっぱりここが安い」と思ったとき、もう一つだけ確認してほしいことが
あります。

金額を大幅に下げる提案をされた場合、どこが削られているかを聞いてみてください。
正直な業者なら「床は既存のものを流用しました」「こちらの型番はウォッシュレットなしの標準タイプです」のように、具体的に教えてくれます。
答えが曖昧だったり、「うちは原価に近い価格でやってるので」としか言われなかったりする場合は、少し立ち止まって考えてみてほしいんです。

私がショールームで見てきた中でも、「あの業者さんの見積もり、安かったけど追加工事が多くて結局一番高くなった」という話を複数のお客様から聞いています。
これが正解とは言い切れないんですが、見積もりはやはり「込み込み総額」で比べることが大切だと思っています。

まとめ:見積もり比較の3ステップ

長くなりましたが、最終的には以下の3ステップで動いてみてください。

  • Step 1:ショールームで品番を確定させる(気に入った商品の型番を控えておく)
  • Step 2:品番指定で複数社(2〜3社)に見積もりを依頼する
  • Step 3:7つのチェックポイントで「込み込み総額」を比較する

これだけで、多くの夫婦が迷いやすい「3社もらったけど比べ方が分からない」
という状態を抜け出せます。ご夫婦で役割分担するなら、ショールーム見学はふたりで行って、
見積もり依頼後の確認作業は片方がリストを使って整理するのが、スムーズに進みやすい形です。

見積もりの段階で正しく比較できると、その後の業者選びも格段に楽になります。
ぜひ参考にしてみてください。

このブログでは、大手水回りメーカーのショールームコーディネーターとして9年間・延べ6,000組以上のご夫婦を案内してきた経験をもとに、家づくりで夫婦の意見をすり合わせるヒントをお届けしています。「水回り選びのことなら、もう少し詳しく聞きたい」という方は、他の記事もぜひのぞいてみてください。

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