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「収納なんてそんなにいらないでしょ」—— 洗面所でこの一言が出たとき
ショールームで洗面台を選んでいたとき、こんな場面を何度も目にしました。
奥さんが鏡裏収納の棚数を指差しながら「もう一段あったほうがよくない?」と言う。
旦那さんが「いや、今のマンションでも使い切ってないし」と返す。
その瞬間、ふたりの間に静かな空気が流れる——。
洗面所の収納量って、意外と夫婦の意見が分かれるんですよね。
しかも「どっちが正しい」という答えが出ないから、決めにくい。
この記事では、洗面所の収納をめぐる夫婦のすれ違いのパターンと、
ショールームで実際に使っていた「意見をまとめる問いかけ」をお伝えします。
よくある夫婦のすれ違いパターン
パターン① 「今の量」で判断する人と「将来の量」で考える人
「今の家でも収納ダボが余ってる。増やす必要ない」——こう言うのは、
たいてい旦那さん側です。
一方、奥さんは「でも子どもができたらドライヤーも増えるし、
学校のものも洗面所に置くじゃない」と返す。
どちらも間違っていないんです。旦那さんは「現在の持ち物」で判断している。
奥さんは「5年後・10年後の持ち物」で考えている。
同じ洗面所を見ているのに、見ている時間軸がちがうんですよね。
パターン② 「すっきり見せたい」vs「しまいたいものがある」
「ドライヤーとか洗剤とか、見えないところにしまいたい」という奥さんと、
「そんなにしまう場所いらないから、デザインをシンプルにしよう」という旦那さん。
このすれ違いは、”何を重視するか”の違いです。収納量を増やせばすっきり見せることはできる。でも収納が多くなると、扉や引き出しの分だけコストが上がる。
予算とすっきり感のどちらを優先するか——そこで意見がぶつかります。
なぜこのすれ違いが起きるのか
洗面所は家の中で、一番「使う人によって必要なものが変わる場所」のひとつです。
旦那さんが洗面所に持ち込むのは、歯ブラシ・髭剃り・整髪料くらいが多い。
でも奥さんになると、スキンケア・メイク道具・ドライヤー・洗剤・タオル・子どものグッズ……と、10倍以上のアイテムになることもあります。
つまり「そんなにいらない」と感じるのは、自分の持ち物を基準にしているから。
自分が使わないものは、想像しにくいんですよね。これは悪意じゃなくて、
単純に「経験していないことはイメージできない」という人間の特性です。
加えて、洗面所の収納は「作った後に増やしにくい」という問題があります。
キッチンや寝室なら棚を後から足すことができる。でも洗面台に組み込まれた収納は、
後からでは変えられません。だから「とりあえず少なめにして様子を見る」という判断が、
じつは後悔につながりやすいんです。
コーディネーターが使っていた「解決の問いかけ」
ショールームで夫婦の意見が割れたとき、私はよくこう聞いていました。
「今の洗面台の周り、写真に撮ってきてもらえますか?」
これが一番効きました。「多い・少ない」の議論は水かけ論になりやすい。
でも実際の写真を見ると、「あ、こんなに置いてたんだ」
と旦那さん側が気づくことが多かったんです。
もうひとつ使っていた問いかけがこれです。
「5年後、お子さんが小学校に上がったとき、洗面所に何が増えてると思いますか?」
子どもの歯ブラシ・コップ・タオル・洗顔グッズ……と具体的に挙げていくと、
「あ、確かに今より増えるな」とイメージが共有できるんです。
未来の話を「具体的なもの」に変換することが、話し合いのカギになります。
洗面所の収納量、後悔しない決め方のポイント
① 鏡裏収納は「3面鏡タイプ」を基準にする
洗面台の鏡裏収納は、1面タイプと3面タイプで収納量がざっくり3倍変わります。
扉ひとつの差ですが、収納できるものの量は全然ちがう。
スキンケア用品が多い方がいるご家庭は、3面鏡がひとつの基準になります。
② 引き出しの「深さ」に注目する
洗面台の下部収納は、浅い引き出し2段より、
深い引き出し1段のほうが使いやすいケースが多いです。
ドライヤーや洗剤のボトルなど縦に長いものは、深い引き出しか、
扉付きの開き戸収納が向いています。ショールームで必ず引き出しを実際に引いてみて、
奥行きと深さを確認してください。
③ 洗面台の外に「プラス収納」を確保する
洗面台本体の収納だけで足りない場合、洗面所の壁面や扉裏にラックを追加する方法があります。費用を抑えつつ収納量を増やしたいなら、後付けラックという選択肢も現実的です。
④ 収納の量より「使い勝手」で決める
棚をたくさん作っても、使いにくい奥まった場所に収納があれば結局使わなくなります。
「よく使うものは取り出しやすい場所に」「あまり使わないものは奥にしまえればいい」
という整理をしてから、収納の量と配置を決めると後悔が少なくなります。
洗面所の収納グッズで整理整頓すると、既存の収納スペースを最大限に活用できます。
まとめ
- 「収納はいらない」は自分の持ち物を基準にした発言。使う人によって必要量は10倍ちがうこともある。
- 「今の写真を撮る」「5年後の持ち物を具体的に挙げる」という問いかけが、夫婦の認識をそろえる鍵になる。
- 洗面所の収納は後から増やしにくいため、少し多めに確保しておくほうが後悔が少ない。
洗面所の収納は「今何を持っているか」ではなく「これからどう使うか」で決めるのが正解です。夫婦どちらかの想像力に頼るのではなく、実際のものを見せ合い、未来を一緒にイメージすることが、すれ違いを解消する一歩になります。
ショールームに行く前に、ぜひ今の洗面台周りを写真に撮って持参してみてください。
プロのコーディネーターも「現状の写真」を一番参考にしています。
このブログ「家づくり夫婦ラボ」では、LIXILショールームコーディネーターとして数百組の夫婦の家づくりに関わってきた経験をもとに、夫婦の意見のすり合わせ方と設備選びの実践的なヒントをお伝えしています。新築・リフォームで迷っている方の参考になれば嬉しいです。



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