「タッチレスにしようよ」「いや、普通の水栓でよくない?」——キッチン水栓で夫婦が止まる瞬間

キッチンの悩み

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「タッチレスにしようよ」「いや、普通の水栓でよくない?」——キッチン水栓で夫婦が止まる瞬間

キッチンのプランを決めていく中で、ふと出てくるのが水栓の話題です。

「タッチレス水栓にしたい!手が汚れてても触らず出せるんだよ」と目を輝かせる妻。
「えっ、水栓にそんなお金かけるの?普通ので十分じゃない?」と首をかしげる夫。

あるいはその逆で、夫が「最新のタッチレスがいい」と言い、妻が「故障したら面倒じゃない?」と心配するパターンもあります。

たかが水栓、されど水栓。キッチンで一日に何十回と使う設備だからこそ、
ここで意見が割れると地味にストレスが溜まります。

この記事では、元LIXILショールームコーディネーターの私が、
タッチレス水栓をめぐる夫婦のすれ違いと、後悔しないための考え方をお伝えします。

よくある夫婦のすれ違いパターン

パターン①「衛生面を重視する妻」vs「コスパを重視する夫」

ショールームで一番多かったのがこのパターンです。

妻の言い分はこうです。「料理中にハンバーグをこねた手で水栓を触りたくない。
触らなくていいなら、掃除も楽になるし衛生的でしょ?」

一方、夫の言い分。「タッチレスにすると5万〜10万円くらい上がるよね。
水栓なんて手で回せばいいじゃん」

私がショールームで実際に聞いたやりとりです。
妻が「これ、手をかざすだけで出るんだ!」とセンサーの前で手を動かしていました。
夫はカタログの価格表を見て「うーん」と唸っていました。

この温度差は、キッチンに立つ頻度の違いから来ていることが多いんです。
毎日料理をする側にとっては「1日30回以上使う道具」。
あまりキッチンに立たない側にとっては「ただの蛇口」。
同じモノを見ているのに、見えている景色が違うんですよね。

パターン②「便利さ」vs「シンプルさ」の価値観の違い

もうひとつ多いのが、設備に対する考え方の違いです。

「便利な機能はどんどん取り入れたい」と考える人と、
「シンプルな方が壊れにくいし、長持ちする」と考える人。

タッチレス水栓はセンサーや電子部品を使っています。
「停電したらどうするの?」「センサーが壊れたら修理代いくら?」と心配する気持ちも、
ごもっともなんです。

あるご夫婦は、こんなふうに言い合っていました。「便利なものは使えばいいじゃん」と夫。
「でも10年後に部品がなかったらどうするの」と妻。
どちらの意見も、家を長く使うことを考えているからこそ出てくる言葉でした。

なぜこのすれ違いが起きるのか

タッチレス水栓で意見が割れる根っこには、「キッチンでの体験の差」があります。

毎日キッチンに立つ人は、水栓に触るたびに「あ、手が汚れてるのに」と小さなストレスを感じています。その積み重ねが「タッチレスにしたい」という強い希望になるんです。

一方、あまりキッチンに立たない人にとっては、その小さなストレスが見えません。
だから「わざわざお金をかける意味がわからない」となる。

これは「相手の日常が見えていない」ことから生まれるすれ違いです。
どちらが悪いわけでもありません。

コーディネーターが使っていた「解決の問いかけ」

私がこのパターンに出会ったとき、まず試していたのはこの方法です。

「お二人とも、実際にセンサーの前で手を動かしてみてください」

ショールームには実際に水が出るタッチレス水栓があります。体験してもらうと、
反応が変わることが多いんです。「おっ、これは便利だな」と夫が言うこともあれば、
「あれ、思ったより反応が遅い」と妻が気づくこともあります。

そしてもうひとつの問いかけ。

「もし水栓の予算を別のところに使えるとしたら、何に使いたいですか?」

この質問をすると、タッチレス水栓の優先度が見えてきます。
「うーん、それなら食洗機のグレード上げたいかも」と言う方もいれば、
「いや、やっぱり水栓が一番」と確信する方もいる。比較することで、
本当に欲しいものが見えてくるんです。

あるご夫婦は、体験後にこう話していました。
「確かに便利だけど、この予算があればレンジフードを掃除しやすいタイプに変えられるね」と。結果、タッチレスはやめて、レンジフードに予算を回しました。
逆に「水栓は毎日何十回も触る。レンジフードは月1回。頻度で考えたら水栓だよね」と、
タッチレスを選んだご夫婦もいます。

タッチレス水栓、後悔しないための判断ポイント5つ

① キッチンに立つ頻度を夫婦で共有する

まず「1日に何回水栓を使うか」を数えてみてください。料理・洗い物・手洗い……。
数えると、意外な回数になります。30回以上使うなら、タッチレスの恩恵は大きいです。

② 温度調節は手動だと知っておく

タッチレス水栓は水の出し止めは自動ですが、温度や水量の調節はレバーを手で操作します。
「完全に手を使わなくていい」わけではありません。
ここを誤解したまま導入すると「思ってたのと違う」となりがちです。

③ 停電時の対応を確認する

多くのタッチレス水栓は、停電時に手動で切り替えられる機能がついています。
ただし、切り替え方法は機種によって違います。ショールームで必ず確認しておきましょう。

④ センサーの感度を実機で試す

メーカーによってセンサーの反応速度や感度が違います。「かざしてすぐ出る」タイプもあれば、「少し間がある」タイプもある。カタログだけで決めず、必ず実機で試してください。

コップに少しだけ水を入れたいとき、センサーが敏感すぎると水が出すぎてしまいます。
逆に鈍いと「あれ?出ない」とイライラする。
自分たちの感覚に合うかどうかは、触らないとわかりません。

ちなみに、「新築じゃないけどタッチレスを試してみたい」という方には、
今の蛇口に後付けできるタッチレスアダプターもあります。
まずは手軽に体験してから、本格導入を判断するのもひとつの手です。

 

⑤ 電源方式を確認する

タッチレス水栓には「コンセント式」と「乾電池式」があります。
コンセント式はシンク下にコンセントが必要。乾電池式は年1回程度の電池交換が必要です。
キッチンのシンク下の状況に合わせて選びましょう。

まとめ

タッチレス水栓をめぐる夫婦の議論、大切なポイントは3つです。

  • キッチンに立つ頻度が違えば、水栓の価値も違って見える。
    まずお互いの「キッチン体験」を共有すること
  • カタログで悩むより、ショールームで実際に触ってみる。体験すると意見が変わることが多い
  • 「タッチレスか否か」ではなく、「限られた予算をどこに使うか」という全体の優先順位で考える

水栓は毎日何十回も使う、キッチンの中で一番触れる設備です。
だからこそ、夫婦でしっかり話し合って、二人とも納得できる選択をしてくださいね。

また、タッチレスにするかどうかに関わらず、キッチンの水はね問題はストレスの元です。
シンクまわりの水はね防止グッズを使うだけで、掃除のストレスがぐっと減りますよ。

 

家づくり夫婦ラボでは、夫婦の「どうする?」を「こうしよう!」に変えるヒントをほぼ毎日お届けしています。他の記事もぜひ読んでみてくださいね。

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