「浴室の壁、あなたに任せるよ」 そう言ったはずなのに、
いざ選ぼうとすると横から口を出してくる。
「これでいい?」と確認したら「好きにすれば」と言われた。
なのに、なぜかその言葉が信用できなくて決められない……。
家づくりやリフォームのショールームで、私はこんな場面を何度も目にしてきました。
今回は、現場で見てきた**「夫婦の壁色選びのすれ違いパターン」と、
私が実際に使っていた「解決の問いかけ」**をお伝えします。
よくある夫婦のすれ違い「2つのパターン」
パターン①:「任せる」と言いながら渋る夫
妻が「浴室は任せるよ」と言い、夫が喜んでダークカラー(黒やグレー系)を選ぼうとすると、妻の顔が曇り始めます。
「えっ、暗くない…?」「毎日使うんだけど…」
夫は困惑します。「任せると言ったのに、なぜ?」と。
実は、妻の「任せる」には**(私の許容範囲の中で)**という
隠れた条件があったりするのです。
パターン②:「好きにすれば」の裏を読みすぎる妻
妻が気に入った色を見つけ、夫に「これどう?」と聞くと、
夫は「いいんじゃない、好きにすれば」と答えます。
すると妻は「本当はいやなのかな?」「合わせてくれてるだけ?」と不安になり、
決断できなくなってしまいます。
こうして「どうぞ」「いや、あなたが決めて」のループに陥り、
ショールームの滞在時間だけが延びていくのです。
なぜ、このすれ違いが起きるのか?
原因は、色の好みではありません。
「その空間は誰のためのものか」という前提が共有されていないことにあります。
- 夫にとっての浴室: さっと入って出る場所
- 妻にとっての浴室: 一日の疲れを癒す、唯一のひとり時間
同じ空間でも、求めるものが違う。 だから、色の好みだけで話し合ってもまとまらないのです。
ショールームで実際に使っていた「解決の問いかけ」
意見が割れたとき、私はいつもこう問いかけていました。
「浴室って、おふたりのどちらがメインで使われますか?」
この一言で、ご夫婦の表情が変わります。
「あ、私のほうが長く入ってるかな」 「子どもを入れるのはいつも私だよね」
メインで使う人が決まれば、「あなたが毎日使う場所だから、あなたが落ち着ける色にしよう」と、スムーズに合意が取れるようになります。
【応用編】お子さんがいる場合
「お子さんは何色が好きですか?」という問いかけも効果的です。 「子どもが喜ぶ色にしよう」という共通の目標ができると、夫婦の対立構造が消え、一気に空気が和みます。
壁色選びで迷ったときの「3つのチェック」
どうしても決まらないときは、以下の3つを自分に問いかけてみてください。
- 毎朝、気持ちよく起きられるか?
(朝、シャワーを浴びるときに5年後もその色を好きでいられますか?) - パートナーはリラックスできそうか?
(自分の好みだけでなく、相手の心地よさを少しだけ想像してみる) - お手入れの覚悟はできているか?
(白は水垢、黒はカビやカルキ汚れ……掃除のしやすさとセットで考える)
まとめ:色の話をする前に「誰の空間か」を決めよう
浴室の壁色でもめるのは、センスの問題ではありません。
「誰が、どんな時間にしたいか」
色の話を始める前に、まずはこの前提を話し合ってみてください。
それだけで、壁色選びは驚くほどスムーズになります。
ショールームで迷ったら、ぜひこの問いかけを思い出してみてくださいね。
プロフィール: LIXILコーディネーターとしての実務経験をもとに、家づくり・リフォームでの「夫婦のすり合わせ方」を発信しています。

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