シューズクロークの広さ、何畳で考える?我が家に必要な量を逆算するチェックリスト

間取り・動線の悩み

シューズクロークの広さ、何畳で考える? 我が家に必要な量を逆算するチェックリスト

玄関の打ち合わせになると、ご夫婦の間でよく出てくるのがこの一言。「シューズクローク、せっかくだから広めにとっておきたいよね」。気持ちはとてもよく分かります。
でも、体験談をたくさん読んでいて、正直いちばん「もったいなかった」という声が多いのが、この“なんとなく広め”で決めた玄関収納なんです。

広ければ広いほどいい、というものでもない。かといって削りすぎると、
結局あふれた靴が玄関のたたきに並ぶことになる。今日は「何畳がいいですか?」
という問いに正面から答えるのではなく、我が家に必要な広さを“量”から逆算するやり方を、
チェックリスト形式でまとめてみます。
あなたの家の答えは、たぶんこの記事の途中で見えてきます。

まず現実を直視する。今、靴は何足ありますか?

広さを語る前に、ひとつだけお願いがあります。今おうちにある靴を、一度数えてみてください。下駄箱の中だけでなく、玄関に出しっぱなしのもの、クローゼットにしまい込んだ冠婚葬祭用、
ベランダのサンダルまで含めて、全部です。

打ち合わせで「だいたい一人10足くらいかな」とおっしゃるご夫婦が多いんですが、
実際に数えていただくと、たいてい倍くらいあります。これは脅しではなくて、
本当にそうなんです。スニーカー、革靴、ブーツ、長靴、サンダル、ランニングシューズ……
季節物を足すと、大人一人で20足前後はざらです。

収納量の目安として、メーカーや収納の専門家がよく挙げるのがこの数字です。

収納の規模 収納できる靴の目安 向いている家族構成
幅120cmの下駄箱(クロークなし) 約30〜40足 夫婦2人、靴が少なめ
1畳のシューズクローク 約30〜50足+α 夫婦+子1人
1.5〜2畳のシューズクローク 約60〜100足+大型荷物 4人家族・趣味の道具あり
3畳以上 家族全員+ベビーカー・アウトドア用品まで 大家族・収納したい物が多い

1畳あれば約20足は入る、とよく言われますが、これは「壁面いっぱいに棚を組んだ場合」の
数字です。通路を確保すると実際の収納力はもっと下がる。ここが落とし穴なんですよね。

広さを決める前のチェックリスト(10項目)

では本題です。何畳にするかを決める前に、ご夫婦でこのリストに○×をつけてみてください。
○が多いほど、広さよりも“動線と使いやすさ”を優先すべきサインです。

① 量のチェック

  • 家族全員の靴を数えたら、合計60足を超えた
  • ベビーカー、三輪車、または将来使う予定がある
  • ゴルフバッグ・キャンプ用品・釣り道具など、玄関に置きたい大型趣味物がある
  • 季節家電(扇風機・灯油など)の保管場所に困っている

② 使い方のチェック

  • 玄関からそのままパントリーやキッチンに抜けたい(ウォークスルー希望)
  • コートやカバンも玄関で脱ぎ着きしたい
  • 外で使ったベビーカーや汚れ物を、室内に持ち込まず処理したい
  • 来客用の玄関と、家族用の動線を分けたい

③ 制約のチェック

  • 玄関まわりに割ける面積は、正直そんなに大きくない
  • シューズクロークを優先すると、他の部屋が削られる

①と②に○が多いなら2畳前後、③に○が多いなら1〜1.5畳で動線重視、という方向性が見えてきます。あなたのお宅は、①と③、どちらの○が多かったですか?

体験談で多い「1畳の落とし穴」

正直、私たちはどちらかというと「広く取るより、通路をケチらない」派です。なぜかというと、
体験談でいちばん多く見た後悔が、ウォークスルー型の通路幅だからです。

最小の910mmモジュールでウォークスルーを作ると、両側に棚を付けた場合、
人が通れる幅は実質46cmくらいになります。大人の身幅が50cmほどなので、
肩をすぼめてやっと通れる。これだと荷物を持って通れないし、
子どもの靴を履かせるしゃがむスペースもない。結果、何が起きるかというと
——通路に物を置きはじめて、ただの物置に変わってしまうんです。

体験談で読んだ方は、1畳のウォークスルーを作ったものの
「結局ぐるっと回り込んで普通の玄関を使ってます」とのこと。
せっかく作ったのに、ともったいない話です。通り抜け型にするなら、
片側収納で最低60cm、できれば通路は75〜80cm欲しい。ここはケチらないほうがよさそうです。

タイプ別の早見表

シューズクロークには大きく3タイプあります。広さの感覚と一緒に整理しておきます。

タイプ 目安の広さ メリット 注意点
ウォークインタイプ(出入口1つ) 1〜1.5畳 収納力が高い・扉で隠せる 奥まで取りに行く手間/デッドスペースが出やすい
ウォークスルータイプ(通り抜け) 1.5〜2畳 動線がスムーズ・家族用玄関に最適 通路に面積を取られ収納力は落ちる
壁面オープン収納(扉なし) 0.5〜1畳相当 省スペース・取り出しやすい 中が丸見え・匂いがこもりやすい

あ、ひとつ言い忘れていました。広さの話に夢中になりがちですが、
換気と棚の可動性を忘れないでください。靴は湿気と匂いの塊です。窓か換気扇、
最低でも通気口は必須。そして棚は必ず可動式に。固定棚にすると、
長靴やブーツが入らなくて上の段がまるまる死にます。これ、広さ以上に満足度を左右します。

夫婦で意見が割れたときの、すり合わせの順番

「広く取りたい夫」と「他の部屋を削りたくない妻」。あるいはその逆。
玄関収納はわりと意見が割れるテーマです。正解とは言い切れないんですが、
私がご夫婦にお願いしているのは、広さの議論をいったん脇に置くこと。

先にやるのは、さっきのチェックリストで「何を、どれだけ、どこにしまいたいか」を
二人で書き出すこと。不思議なもので、ふんわり「広く」と言い合っているうちは平行線なのに、「ゴルフバッグ2つとベビーカー1台と靴70足」と具体化した瞬間、「じゃあ2畳いるね」
「いや、ゴルフは車に積みっぱなしでいいか」と、勝手に話が前に進むんです。

広さは“願望”ではなく“持ち物の総量”から決まる。これだけ覚えて帰っていただければ、
今日の記事は十分です。

最後に

シューズクロークは、面積さえあれば満足できる場所ではありません。我が家の持ち物の量、
通り抜けたいかどうか、そして通路と換気。この順番で考えると、
何畳が正解かは自然と絞れてきます。まずは今夜、おうちの靴を数えることから始めてみてください。きっと、ご夫婦の会話がぐっと具体的になりますよ。

このブログ「家づくり夫婦ラボ」では、ショールームでの現場経験をもとに、
ご夫婦の意見がすれ違いやすいポイントを一つひとつ取り上げています。
間取りや収納で迷ったら、また覗きにきてくださいね。

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