「明るすぎない?」「暗すぎない?」照明で夫婦の好みが正反対になるワケ
新居の照明プランを決める打ち合わせ中、こんな会話になったことはありませんか?
「リビングはもっと明るくしたいな」と言う旦那さまに、奥さまが「明るすぎると落ち着かなくない?」と返す。
あるいは逆に、「ダウンライトでおしゃれにしたい」という奥さまに、旦那さまが「暗くて本も読めないじゃん」と首をかしげる。
照明は、意外と夫婦の好みが真っ二つに分かれるポイントなんです。私はインテリアアドバイザーとして多くのご夫婦の照明選びに関わりましたが、「色」と「明るさ」の好みが完全に一致するご夫婦は、ほとんどいませんでした。
この記事では、照明選びですれ違う原因と、後悔しないための考え方をお伝えします。
よくある夫婦のすれ違いパターン
パターン①「電球色」vs「昼白色」の戦い
照明の色味は大きく分けて3種類あります。オレンジがかった温かみのある「電球色」、自然光に近い「昼白色」、青白くクリアな「昼光色」です。
この中で最も揉めやすいのが「電球色」と「昼白色」の選択です。
ショールームでこんな場面がありました。
奥さま:「リビングは電球色がいい。カフェみたいな雰囲気にしたいの」
旦那さま:「電球色って暗くない?俺、昼白色じゃないと目が疲れるんだけど」
奥さま:「昼白色はオフィスみたいで、全然くつろげない」
お互いの「心地いい」が、まったく違うんですよね。
実はこの好みの違いには理由があります。普段オフィスで昼白色の照明の下で過ごしている方は、明るい光に慣れているので暗めの照明を不便に感じます。逆に、家ではリラックスしたいと考える方は、オフィスとは真逆の温かい光を求めるんです。
パターン②「おしゃれ照明」vs「明るさ優先」
間接照明やペンダントライトでおしゃれな空間を作りたい方と、「とにかく明るければいい」という方。この組み合わせも非常に多いです。
あるご夫婦はこう言っていました。
奥さま:「ダイニングにペンダントライトを吊るしたい。料理が映えるから」
旦那さま:「ペンダントって邪魔じゃない?頭ぶつけそうだし」
奥さま:「高さ調整できるから大丈夫だよ」
旦那さま:「シーリングライトひとつで明るいほうがスッキリしない?」
デザインと実用性のバランスは、照明でも大きなテーマなんです。
なぜ照明の好みはこんなに分かれるのか
照明の好みが分かれる最大の理由は「過ごしてきた環境の違い」です。
実家がシーリングライトで明るかった方は、明るい空間=安心感と感じます。一方、間接照明やダウンライトで育った方、またはホテルやカフェの雰囲気が好きな方は、暗めの空間=リラックスと感じるんです。
つまり、照明の好みは「育った環境」と「理想の暮らし方」が組み合わさって形成されています。これは良い悪いではなく、ただの「違い」なんです。
もうひとつの原因は、照明が「体感でしかわからない」ということ。カタログに「60W相当」「電球色」と書いてあっても、実際にその空間にいないと明るさの印象はわかりません。だからこそ、話し合いだけでは折り合いがつかないんですよね。
私が使っていた「解決の問いかけ」
照明の好みで揉めているご夫婦に、私がよく使っていた問いかけがあります。
「リビングで過ごす時間を『朝・昼・夜』に分けたら、それぞれどんな明るさがほしいですか?」
この質問をすると、ほとんどのご夫婦が「同じ明るさじゃなくていいんだ」と気づきます。
実は今の照明は「調光・調色機能」がついたものが増えています。昼間は昼白色で明るく、夜は電球色で暗めに。ひとつの照明で両方叶えられるんです。
あるご夫婦はこう言っていました。
旦那さま:「朝は明るいほうがシャキッとする」
奥さま:「夜は暗めにして映画を見たい」
そこで私は提案しました。
「調光機能つきの照明にすれば、朝は旦那さまの好きな明るさ、夜は奥さまの好きな明るさにできますよ」
おふたりとも「そんなのがあるの?」と驚いていました。照明は「どちらかを選ぶ」のではなく、「時間帯で切り替える」という発想で解決できることが多いんです。
後悔しない照明選びのポイント
① 「調光・調色」対応を標準にする
新築やリフォームなら、主要な部屋の照明は調光・調色対応にしておくのがおすすめです。初期費用は少し上がりますが、あとから「もっと暗くしたい」「もっと明るくしたい」と揉めるリスクを大幅に減らせます。
特にリビング・ダイニング・寝室の3箇所は、調光対応にしておいて損はありません。「どちらの好みも叶えられる」という安心感は、夫婦関係にもプラスに働きます。
② 「一室多灯」で好みを共存させる
ひとつの部屋にシーリングライト1個ではなく、ダウンライト・ペンダントライト・スタンドライトなど複数の照明を組み合わせる方法です。
全体を明るくしたいときはすべて点灯。落ち着きたいときはスタンドライトだけ。こうすれば、同じ部屋でも気分や時間帯に合わせて雰囲気を変えられます。
「おしゃれにしたい妻」と「明るさがほしい夫」の両方を満足させる最強の方法が、この一室多灯なんです。
③ ショールームで「夜の照明」を体験する
多くのショールームには照明の体験コーナーがあります。電球色・昼白色・昼光色の違いや、調光の変化を実際に体感できるスペースです。
ここでのポイントは、ご夫婦で一緒に体験すること。同じ空間で「これくらいがいい」と指差しながら話せるので、言葉だけの話し合いよりずっとスムーズに進みます。
④ 「スイッチの場所」も忘れずに
照明本体に意識が集中しがちですが、スイッチの位置も重要です。複数の照明を使い分ける場合、スイッチが使いにくい場所にあると結局「全部つけっぱなし」になってしまいます。
リモコンやスマート照明も選択肢に入れると、ソファに座ったまま明るさを変えられて便利です。毎日のことだから、ちょっとした操作性が満足度を大きく左右します。
まとめ
照明選びで大切なポイントをまとめます。
- 照明の好みが分かれるのは「育った環境」と「理想の暮らし」が違うから。どちらが正しいわけではありません
- 「調光・調色」機能を使えば、朝と夜で明るさを切り替えられます。どちらかを我慢する必要はないんです
- ショールームで実際の光を体験すると、言葉だけの話し合いよりスムーズにまとまります
照明は家の雰囲気を決める大切な要素。でも「正解はひとつ」ではありません。時間帯やシーンに合わせて変えられる仕組みを取り入れれば、ふたりとも満足できる空間が作れます。
「明るすぎ」も「暗すぎ」もない、ふたりだけの「ちょうどいい」を見つけてくださいね。
家づくり夫婦ラボでは、元インテリアアドバイザーの視点で「夫婦の意見が合わない」を解決するヒントを発信しています。ほかの記事もぜひ読んでみてください。


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