家づくりで「好きにして」と言われたら?本音と対処法 

コーチングメソッド

「好きにしていいよ」──その一言、嬉しくないですよね?

キッチンの色、壁紙のデザイン、照明の種類。ショールームで迷いながら夫に聞いたら、
返ってきたのは「好きにしていいよ」。

一見やさしい言葉に聞こえます。でも実際に言われた側は、こう思いませんか?

「それ、興味ないってことだよね」「私ひとりで決めろってこと?」

私はLIXILのショールームでコーディネーターをしていました。
この「好きにして」問題に悩むご夫婦を、本当にたくさん見てきました。
妻がひとりで資料を持ってきて、夫はスマホを見ている。
そんな場面も珍しくなかったんです。

この記事では、「好きにして」の裏にある本音を解説しながら、
夫婦で家づくりを楽しむための対処法をお伝えします。

よくある夫婦のすれ違いパターン

パターン① 妻が「一緒に決めたい」のに、夫は「任せたつもり」

もっとも多かったのがこのすれ違いです。

妻は「ふたりの家なんだから、一緒に考えたい」と思っている。
でも夫は「詳しいほうに任せたほうが合理的」と考えている。

あるご夫婦の話です。妻がショールームで3時間かけて壁紙を選んだのに、
帰宅後に夫に見せたら「いいんじゃない」の一言。妻は「3時間悩んだのに、5秒で終わり?」と怒りが爆発しました。

夫には悪気がないんです。でも「一緒に悩んでほしかった」という妻の気持ちは、
まったく届いていませんでした。

パターン② 夫が「後から文句を言う」パターン

「好きにしていいよ」と言われたから、妻が全部決めた。でも住み始めてから
「ここ、もうちょっとこうすればよかったのに」と夫が言い出す。

「好きにしていいって言ったのに!」と妻が感じるのは当然ですよね。

これは実際にショールームでもよく聞いた話です。
「前回の打ち合わせで決めたのに、今日になって旦那がひっくり返して…」と、
疲れた顔で来られる奥様もいらっしゃいました。

なぜ「好きにして」が出てしまうのか

「好きにして」には、実はいくつかの本音が隠れています。

まずひとつは、「正解がわからないから怖い」という心理です。壁紙やタイルの微妙な色の違いを聞かれても、違いがわからない。間違ったことを言って否定されるくらいなら、黙っていたほうがいい。そう思ってしまうんですね。

もうひとつは、「こだわりがないのではなく、言語化できない」というケース。
「なんかいい感じ」とは思っても、それを具体的な言葉にするのが苦手な方は多いんです。
特に男性はインテリアの用語に慣れていないことが多く、会話についていけなくなってしまいます。

そして最後に、「本当に任せたい」という場合もあります。信頼しているからこそ任せている。でもその信頼が、相手には「無関心」に映ってしまう。ここにすれ違いが生まれるんです。

コーディネーターが使っていた「解決の問いかけ」

私がショールームでこの問題に遭遇したとき、実際に使っていた対処法を2つご紹介します。

問いかけ① 選択肢を2つに絞って聞く

「好きにして」と言ってしまう方は、選択肢が多すぎると思考が止まります。だから私はこうしていました。

「AとB、どちらが好きですか?理由はなくて大丈夫です」

カタログを広げて「どれがいい?」と聞くと黙ってしまう夫が、2つ並べて
「こっちかこっち、どっち?」と聞くと「こっち」と即答する。これ、本当によくあったんです。

理由を聞かないのもポイントです。「なぜ?」と聞かれると答えに詰まる方が多い。
「直感でいいですよ」と伝えると、安心して選んでくれます。

問いかけ② 「嫌なもの」から聞く

好きなものが言えない人でも、嫌いなものは言えることが多いんです。

「これだけは絶対イヤだな、というものはどれですか?」

あるご夫婦に壁紙のサンプルを5枚並べてこう聞いたところ、夫が「この花柄は絶対ムリ」と即答しました。そこから「じゃあ柄物は外して、無地で考えましょうか」と会話が回り始めたんです。

「好き」を選ぶのは難しくても、「嫌い」を消していくと自然と答えに近づける。消去法は、意見を出しにくい方にとてもおすすめの方法です。

「好きにして」を「一緒に決めよう」に変える4つのコツ

  • 打ち合わせの前に「今日決めること」を共有する──「今日は床材と壁紙を決めるよ」と
    事前に伝えるだけで、心の準備ができます。ショールームに着いてから「何を決めるの?」という状態では、関われなくて当然です。
  • 担当エリアを分ける──たとえば「キッチンは妻、書斎は夫」のように、
    お互いが主導権を持つ場所を決める。全部一緒に決めなくていいんです。
    自分の担当があると、責任感と楽しさが生まれます。
  • PinterestやInstagramで画像を共有する──言葉で伝えにくいイメージも、
    写真なら「こういうのが好き」「これは違う」と反応しやすくなります。
    共有ボードを作って、お互いにピンするだけでも十分です。
  • 「決めてくれてありがとう」を忘れない──もし相手が意見を出してくれたら、
    採用しなくても「考えてくれて嬉しい」と伝えましょう。
    「どうせ否定される」と思うと、次から口を閉ざしてしまいます。

まとめ

「好きにして」は、無関心のサインとは限りません。
その裏には「わからない」「怖い」「うまく言えない」という気持ちが隠れていることが多いんです。

この記事のポイントは3つです。

①「好きにして」の本音は「わからないから怖い」が多い

② 選択肢を2つに絞る・嫌なものから聞くと意見を引き出せる

③ 全部一緒に決めなくていい。担当エリアを分けるのも手

家づくりは、夫婦の「対話力」が試される場面です。でも完璧なコミュニケーションなんて必要ありません。「ちょっと聞き方を変えてみる」だけで、驚くほど会話が変わりますよ。

ふたりの家だからこそ、ふたりで楽しんでくださいね。

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「家づくり夫婦ラボ」では、元インテリアアドバイザーの経験をもとに、夫婦の家づくりに役立つ情報を発信しています。
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